海に遠吠え第4回公演「光を編む」
出演者インタビュー
夏井菜月(海に遠吠え)
1999/8/10生まれ。海に遠吠え主宰。
2016年より演劇をはじめ、現在は海に遠吠えの脚本・演出・制作、俳優とマルチに活動中。
今作では脚本・演出・出演・制作を手がける。
過去出演作
白河夜船「メーデーメーデー -canary in the coal mine-」、海に遠吠え「夜明け、輪郭線をなぞって。」、ソキュウ「蟻のプール」、合田団地『リゾート(なかった青春の末路としての)』、べろべろガンキュウ女「大山田優希と三人の元セフレ」、海に遠吠え「うつろう君が、知らないこと」、第九惑星「My Love's sold」等

今回の出演・執筆理由:
前回の「うつろう君が、知らないこと」から、また新たに作品をつくるにあたって、何を書くべきか、何を作るべきかとても迷いました。脚本家として、演出家として、役者として自分に課したいものがあって、それらを全うできるような、それでいて「今」の自分自身が感じていること・考えていることを表現できる作品にしたくて。考えているなかで、いろんな理由で落ち込む時期があり、ふと人生における緊張の糸が切れた瞬間があって。「これから」がもやがかかったように見えづらくなったそのときに浮かんだことをベースに今作は作られています。 書くことで何か、整理ができる気がしたし、どこか前向きになれる気がして、それは書き終えた今もそう思っています。諸々込みで、今までで一番難易度が高く、切実な作品になりました。
稽古の中での印象的な出来事:
皆さん小劇場のなかで様々な経験をしっかりと踏んでこられた、人生の先輩方なのでとても頼りにしています。稽古序盤は特に迷いや行き詰まりを感じることが多かったですが、優しく見守ってくださり、ときにアドバイスまでくださって、感無量です。頭が上がりません。 ちょっとした休憩中には、それぞれの現場での出来事や舞台の感想を共有してくれて、好きなものの話に花を咲かせることもしばしばあって。ユーモアのある方が揃っているのかもしれないと最近は思います。楽しい時間を過ごせています、感謝です!

役づくりの中で悩んだことや心掛けたこと:
主人公を演じるのですが、いつにも増して繊細だなあと思います(役者目線)。
年相応の悩みもありつつ、いつまでも消化できないわだかまりもあったりして、それらに対する向き合い方、切実さを全面に出せたらいいなと思っています。 「あんな頃あったなあ」とかではなくて、自分ごととして受け止めてもらえるように演じたいなと思います。
ほかの出演者の方々への最初の印象:
全員はじめましての方ばかりですが、信頼の置ける方に!と期待して、それに皆さんとても応えてくださっているなと感じています。
きたにしてつやさん:大きいな……と思いました。笑 雰囲気からして愉快な人!
内藤彰子さん:もの静かそうに見えて、芯の強い人だと思いました。
七井悠さん:快くオファーを引き受けてくださって、とても嬉しかったです。実直な人だと感じました。
山本魚さん:ぱっきりした雰囲気のなかにやわらかな人柄を感じる人だなと思いました。
吉田凪詐さん:眼差しが優しいのにバリバリ動ける人ですごいなあと思いました。

ほかの出演者の方々への現在の印象:
きたにしてつやさん:なにか一言喋るだけでちょっと面白いので、それはもう天性の才能だな〜と。笑 さりげない気遣いに不器用さと心根の優しさを感じられて、今回の役にぴったりだ!と最近はとても思います。
内藤彰子さん:内気ながら、秘めたパワーを感じます。きっと演劇のことをとても好きでいらっしゃるのだと思うので、思う通りに、楽しんでやってほしいと思っています。
七井悠さん:関西弁に翻弄されつつも、与えられた役についてのアプローチが的確で尊敬です。稽古場でも適宜アドバイスや質問をくださるので、助かっています。私はお酒が飲めないですが、全然七井さんと飲みたいです。
山本魚さん:稽古中助けられる場面が多くて、本当にありがたいです。冷静沈着で、皆さんそうなのですが、自分の役だけでなく作品そのものと向き合ってくださっていることを感じられて、本当に嬉しいです。時折見せてくださる笑顔が素敵だなと思っています。
吉田凪詐さん:すごくいい人だなと。この「いい人」は、いろんな良い意味を含めての「いい人」なのですが、当初もっと怖い人をイメージしていたので、知れば知るほど、最近は特にいい人だと感じる場面が多いです。吉田さんと一緒に演劇できて嬉しいなと素直に思います。
今作のテーマについて:
生と死に対する価値観、あるいは向き合い方だと思います。わりとこれは自分のこれまでの作品とも通ずるところではありますが、今作ではそれがより一層色濃く表現されているかなと思います。
観客に観てほしいポイント:
個人的にかわいい〜!と思うやりとりや関係性、ゆるい普遍的な家族のやりとり、葬式で久しぶりに会った親族に近況を聞きまくるような会話など、よくある人間関係の描写に力を入れています。演劇ならではというよりかは、日常の延長線、いつかどこかで経験したような場面を想起させるようなそんなやりとりが多くあるので、是非親族の一人となって観てもらえたら嬉しいです。あわよくば、誰かのことを好きになってもらえるといいなと思います。

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これを言うとずるいかもと思うのですが、今作にて海に遠吠えはしばらく休眠期間に入ります。
だからこそ、「これから」を編んでいけるよう、今作をつくりました。
生きること、何かを選び行動すること、これからに向き合うこと。
光の先で、皆さんと出会えることを楽しみにしています。
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海に遠吠え第4回公演
「光を編む」
2025/10/31-11/3(金-月)
大阪・寺田町 表現者工房にて
チケット料金:一般 3000円/U-26 2500円/+当日300円
脚本・演出:夏井菜月
出演:夏井菜月(海に遠吠え)/きたにしてつや(ゆとりユーティリティ)/内藤彰子(喜劇結社バキュン!ズ/第九惑星)/七井悠(劇団飛び道具)/山本魚/吉田凪詐
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